バックホーで切り株を「掘り起こす」工法は、根株と表土を大きくめくり上げてしまい、
地面には深い穴と乱れた土壌が残ります。こうした地盤の乱れは、わだちやぬかるみを発生させ、
後続作業で使用する重機がスタックする原因にもなります。

本記事では、Dipperfoxスタンプドリル(スタンプクラッシャー)が、
どのように地盤へのダメージを最小限に抑えつつ、伐根作業をスピードアップし、
現場全体のトータルコストを削減できるのかを解説します。

Dipperfoxスタンプドリルとは?掘り起こさない切り株処理アタッチメント

Dipperfoxスタンプドリルは、油圧ショベルに取り付けて使用する切り株破砕用アタッチメントです。
従来の「抜根」や「ディスク型スタンプグラインダー」とは異なり、
切り株に対して垂直方向にドリルを入れて、その場で粉砕するのが特徴です。

  • 掘り起こさないため、大きな穴が残らない
  • 低回転・高トルクのドリル方式で安全性が高い
  • 切り株をチップ状に粉砕し、現場にそのまま還元できる
  • 根株は地下で自然分解されるため、地盤構造を維持しやすい

掘り起こし工法の問題点:地盤を乱すほど後工程がつらくなる

バックホーのバケットで切り株を掘り起こすと、根と一緒に大量の土が付着し、
大きな土塊と穴が現場に残ります。特に湿った土や軟弱地盤では、

  • わだち・ぬかるみが発生しやすくなる
  • 地盤の支持力が低下し、ダンプやグレーダーがスタックしやすい
  • スタックの救助作業(引き出し)は追加コストと時間のロスになる

多くのガイドラインや安全マニュアルでも、
「過度な地盤撹乱は、重機沈下やスタックの主要因」とされています。
つまり、今地盤を荒らせば荒らすほど、あとから使う機械が走りにくくなり、
工期遅延・コスト増加のリスクが高まるということです。

なぜDipperfoxスタンプドリルは地盤にやさしいのか

垂直ドリル方式で「その場で粉砕」する

Dipperfoxは、切り株の上から垂直にドリルを挿入し、
芯から崩すように切り株をチップ状に粉砕します。

  • 表土をめくり上げないため、大きな穴が残らない
  • 根は地下に残るが、時間とともに自然分解される
  • 表面は比較的フラットなまま保たれるため、後続重機が走行しやすい

その結果、地盤の構造を保ったまま伐根作業が可能となり、
建設工事・造成工事・農地整備など、あらゆる現場で後工程をスムーズに進めることができます。

処理スピード:1本あたり20〜120秒で伐根

フラッグシップモデルDipperfox SC850 Proの場合、

  • 切り株1本あたりの処理時間:約20〜120秒(条件による)
  • 従来の掘り起こしやディスク研磨と比べて、5〜10倍のスピード

処理サイクルが短いため、
重機の稼働時間・燃料消費・オペレーターの拘束時間をまとめて削減できます。

特許取得の自動2速ギア(スマートトルク制御)

Dipperfoxのギアボックスは、木の硬さや負荷に応じて自動で

  • スピード重視のギア
  • トルク重視のギア

を切り替えるスマート制御を採用しています。

  • オペレーターが細かく調整しなくても安定した処理が可能
  • ストール(止まり)を減らして作業効率アップ
  • 機械への負荷を最適化し、故障リスクを軽減

低回転だから「クリーンで安全」な作業環境

一般的なディスク型スタンプグラインダーは高回転のため、
木片や石が飛散しやすく、安全管理に大きな負担がかかります。

一方、Dipperfoxスタンプドリルは低RPM(低回転)で動作するため、

  • 飛散物が少なく、オペレーターや周囲の安全性が高い
  • 視界がクリアで作業性が良い
  • 破砕されたチップはそのまま地面に残し、マルチとして活用可能

掘り起こし工法・ディスク研磨工法との比較

評価項目 掘り起こし(抜根) ディスク研磨 Dipperfoxスタンプドリル
土壌撹乱 非常に大きい(穴・土塊・わだち) 中程度 小さい(地盤構造を保持)
後続重機のスタックリスク 高い 中程度 低い
伐根スピード 遅い(根の形状に依存) 中程度 速い(20〜120秒/本)
後処理の手間 根株・土塊の運搬・埋戻しが必要 チップの管理が必要 チップはその場で土に還元可能
安全性 深い穴・不安定な足場 飛散物・高回転によるリスク 低回転で安全・視界良好

現場シミュレーション:200本の切り株を処理する場合

掘り起こし工法の場合

  • 1本あたり3〜5分(かなり良好な条件と仮定)
  • 200本で約10〜16時間の伐根時間
  • 加えて、根株と土塊の運搬・処分・埋戻し・整地が必要

Dipperfoxスタンプドリルの場合

  • 1本あたり20〜120秒
  • 200本で約1.1〜6.7時間の伐根時間
  • 破砕チップはその場に残し、整地作業も最小限

単純な伐根時間だけでも1日以上の重機稼働時間を削減できる計算となり、
さらに、

  • ダンプ・ドーザーのスタック回避
  • 救助作業(引き出し作業)の不要化
  • 鋼板マットや養生の削減
  • 再整地・転圧の手間の軽減

など、いわゆる「隠れコスト」まで含めたトータルコスト削減効果が期待できます。

豊島重機はDipperfoxスタンプドリルの導入をサポートします

豊島重機は、Dipperfoxスタンプクラッシャー/スタンプドリルの日本国内ディーラーとして、
造成工事・農地整備・林地開発・インフラ関連工事など、さまざまな現場への導入をサポートしています。

  • 掘り起こし工法からの切り替えを検討している
  • 地盤を荒らさずに伐根したい現場がある
  • 重機のスタックや整地の手間を減らして、工期短縮を図りたい

このような課題をお持ちの現場担当者・施工会社さまは、ぜひ一度ご相談ください。
現場条件や保有重機のスペックを伺い、最適なDipperfoxモデルと運用プランをご提案いたします。

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