送電線や配電設備の維持管理において、「切り株処理」は意外と大きなコスト要因です。
草刈りエリアに切り株が残ったままだと、草刈り機やトラクターの破損リスクが高まり、長期的な維持費が増大してしまいます。
本記事では、Dipperfoxスタンプクラッシャーを活用して、送電線下の伐根コスト・保守コストを削減する方法をご紹介します。
Dipperfoxスタンプクラッシャーとは?
Dipperfoxスタンプクラッシャーは、油圧ショベルに取り付けて使用する切り株破砕用アタッチメントです。
低回転・高トルクのドリル方式により、従来のスタンプグラインダーとは異なるアプローチで、切り株を深さごと粉砕します。
- 1時間あたり最大180本の切り株を処理(条件による)
- 低回転のため飛散物が少なく、安全性が高い
- 切り株の芯まで破砕できるため、再成長や隆起を防止
- 破砕チップはそのまま土に還元でき、廃棄物が出ない
なぜ送電線の維持管理で「切り株処理」が重要なのか
送電線やパイプラインの下には、定期的に草刈りを行う保守用の安全地帯(草刈りエリア)が設けられます。
この草刈りエリアに切り株が残っていると、次のような問題が発生します。
- 草が伸びると切り株が隠れ、オペレーターから視認できない
- 草刈り機・トラクターが切り株に衝突し、機械を損傷する
- メンテナンス回数・修理費用が増加する
- 作業スピードが落ち、年間の維持管理コストが膨らむ
初期の建設段階で切り株を「残したまま」にすると、一時的には費用を抑えられますが、
長期的には草刈りコスト・機械の修理費用が増え、結果として割高になるケースが多く見られます。
従来の伐根工法とその課題
送電線下の伐根・造成には、一般的に以下の機械が使用されます。
- マルチャー(伐採粉砕機)
- スタンプグラインダー(切り株研磨型)
これらは細い木や灌木の処理には有効ですが、大径の切り株に対しては次のような課題があります。
- 1本あたりの処理時間が長く、作業効率が悪い
- 高速回転のため飛散物のリスクが高い
- 地中の石に当たると刃が破損しやすい
- 表面だけを削るため、地下の根株が残り、再成長や「隆起」の原因になる
特に石の多い地盤や山岳地帯では、従来工法だけに頼ると時間もコストもかかりすぎるのが現実です。
Dipperfoxとマルチャーを組み合わせる「ハイブリッド工法」
コスト効率と作業スピードを両立させるために、ヨーロッパの送電線工事では次のようなハイブリッド工法が採用されています。
① Dipperfoxで大きな切り株を破砕
- 大径の切り株だけを狙って、Dipperfoxで根元ごと粉砕
- 1本あたり平均20秒程度で処理(条件による)
- 地下部まで破砕できるため、凍結や再成長による盛り上がりを防止
② マルチャーで細木・灌木を仕上げ処理
- 細い木や灌木をマルチャーで一気に粉砕
- 表面を滑らかに仕上げることで、その後の草刈りが容易に
- 切り株がないため、農業用トラクターでの草刈りに切り替え可能
この組み合わせにより、初期の造成コスト+長期の維持管理コストの両方を抑えられるのが大きな特徴です。
送電線プロジェクトでの実証結果
Dipperfoxを活用したこの工法は、エストニアで建設された330/110kV送電線プロジェクト(総延長170km)にて実証されています。
このプロジェクトでは、200ヘクタール以上の森林・湿地帯が草刈り可能なエリアへと整備されました。
現場からは次のような結果が報告されています。
- Dipperfoxで大きな切り株を事前に除去すると、マルチャーの作業時間が約半分に短縮
- 1日の処理面積は最大約1ヘクタールに向上
- 切り株を残した場合と比べて、3〜4倍のスピードで草刈りエリアを造成可能
つまり、Dipperfoxは「たくさん伐根できる機械」というだけでなく、
送電線の総合的な維持管理コストを下げる戦略的ツールとして機能していると言えます。
スタンプマルチャーとDipperfoxの比較
スタンプマルチャーの特徴
メリット
- 細い木や灌木の処理に適している
- 表面を平滑に処理できるため、見た目がきれい
- 粉砕チップはそのまま土壌に還元できる
デメリット
- 大径の切り株処理に時間がかかる
- 高速回転のため、安全エリアを広く確保する必要がある
- 石が多い現場では刃の損傷が多く、メンテナンスコストがかかる
- 地表付近のみの処理で、地下の根が残りやすい
Dipperfoxスタンプクラッシャーの特徴
メリット
- 大きな切り株の処理が圧倒的に速い(1本20秒程度)
- 低回転のため飛散物が少なく、安全性が高い
- 地中深くまで破砕できるため、再成長や隆起を防止
- 石の多い地盤でも刃が壊れにくく、過酷な現場に対応可能
- 破砕チップは地面に混ざり、そのまま自然に分解される
デメリット
- 細い草・小径木の大量処理には向かない(マルチャーとの併用が最適)
豊島重機はDipperfox公式ディーラーです
豊島重機は、Dipperfoxスタンプクラッシャーの日本公式ディーラーとして、
送電線・配電設備・パイプライン・造成工事など、さまざまな現場における伐根ニーズにお応えします。
- 送電線下の草刈りコストを下げたい
- マルチャーの刃の破損や修理費がかさんで困っている
- 長期の維持管理費まで含めたトータルコストを見直したい
こうした課題をお持ちの事業者さまは、ぜひ一度ご相談ください。
現場条件をお伺いし、最適なDipperfox導入プランをご提案いたします。
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