伐採工事や造成工事、森林整備のあとに必ず問題になるのが「切り株をどう処理するか」です。
バックホーで根ごと掘り起こす従来工法(抜根)もあれば、スタンプグラインダー(切り株粉砕機)で壊す工法もあります。
本記事では、「掘り起こし(抜根)」と「Dipperfoxスタンプクラッシャーによる粉砕」を比較しながら、
作業効率・コスト・環境・重機への負荷といった観点から、どのような現場でDipperfoxが有効かをわかりやすく解説します。
掘り起こし vs Dipperfox:切り株処理の基本的な違い
従来の掘り起こし工法(抜根)とは
従来の切り株処理は、ショベルやバックホーで根の周りを掘り、切り株を根ごと引き抜く方法が一般的です。
シンプルな工法ですが、次のような特徴があります。
- 切り株周辺を大きく掘り返すため、地面に大きな穴が残る
- 土砂が大量に発生し、埋め戻し・整地に手間とコストがかかる
- 重機を長時間動かすため、燃料費・人件費が増えやすい
- 周囲の舗装・芝・インフラ設備(配管・ケーブル)を傷つけるリスクがある
Dipperfoxスタンプクラッシャーによる粉砕工法とは
一方、Dipperfoxスタンプクラッシャーは、油圧ショベルやコンパクトマシンの先端に取り付けて使用する
切り株粉砕用アタッチメント(スタンプグラインダー/スタンプクラッシャー)です。
Dipperfoxは切り株の上からドリル方式で地中に向かって食い込み、
木部を細かいチップ状に粉砕することで、切り株をその場で「消す」イメージで処理します。
- 切り株だけをピンポイントで粉砕し、地表をほとんど掘り返さない
- 粉砕された木は土と混ざり、自然に分解していく
- 大きな穴や土砂の山が発生しないため、整地が楽
作業効率の比較:数時間かかる抜根 vs 数十秒で終わる粉砕
掘り起こしは1本あたり「数十分〜数時間」かかることも
根の張り方や地盤条件によって差はありますが、
手掘り+小型機械、あるいはバックホーだけで切り株を掘り起こす場合、1本あたり数十分〜数時間かかることも珍しくありません。
また、掘り起こした後には以下の作業が続きます。
- 根株と土塊の分別・積み込み
- 運搬・処分場への搬入
- 現場の穴埋め・転圧・整地
つまり、「抜根=切り株を抜くだけ」ではなく、その前後に大きな時間とコストが積み重なっているのが現実です。
Dipperfoxなら1本あたり「数十秒〜数分」で処理可能
Dipperfoxの代表的なモデルでは、条件が良ければ、
- 直径40cm前後の切り株を約50秒で粉砕(SC400クラスの例)
- 大径でも数分程度で処理可能
切り株を掘り起こさないため、
- 根株を運び出す必要がない
- 土砂が山のように出ないので、埋め戻し・整地も最小限
といった「前後の時間」もまとめて削減できるのが、Dipperfoxによる伐根の大きな強みです。
現場への影響・環境負荷の違い
掘り起こしは地盤を大きく乱しやすい
抜根工法では、切り株周辺を大きく掘り返すため、
- 地面に大きな穴やわだちが残る
- 雨が降るとぬかるみになりやすい
- 芝生・舗装・花壇・ブロックなどの周辺構造物が損傷しやすい
公園・住宅地・店舗外構など、景観や安全性が重視される場所では、
「掘り起こしたあとの復旧コスト」が無視できない問題になります。
Dipperfoxは地盤をほとんど崩さないピンポイント作業
Dipperfoxスタンプクラッシャーは、切り株そのものを垂直方向に粉砕するため、
- 表面の芝や土を大きくめくる必要がない
- 地表の乱れが少なく、後の整地が楽
- 木質チップはその場で土と混ざり、時間とともに自然分解
公園・キャンプ場・ゴルフ場・分譲地造成など、
「見た目の仕上がり」や「利用者の安全」が重要な場所ほど、Dipperfoxのメリットが大きくなります。
燃料費・人件費・重機への負荷の比較
掘り起こしは長時間稼働でトータルコストがかさみやすい
抜根はバックホーを長時間高負荷で動かす作業のため、
- 燃料消費が多くなる
- オペレーターの稼働時間も長くなる
- ブーム・シリンダー・ピン・ブッシュなどへの負担が蓄積
1本あたりの人工・機械コストに加えて、機械の摩耗による長期的なメンテナンスコストも見逃せません。
Dipperfoxは自動トルク制御で効率よく稼働
Dipperfoxシリーズには、負荷に応じて自動的にトルクや回転数を調整する2速ギアボックスが採用されています。
これにより、
- 無駄な空回しが少なく、燃費効率が良い
- 必要以上の負荷をかけないため、重機へのダメージも軽減
- 1本あたりの処理時間が短く、人件費も圧縮できる
特に複数本の切り株を処理する現場では、台数・人員を増やさずに作業量を増やせる点が大きなメリットになります。
Dipperfox各モデルと対応重機の目安
豊島重機では、現場条件やお持ちの重機に合わせて、最適なDipperfoxモデルのご提案が可能です。
| モデル | 対応重機(目安) | 主な用途 |
|---|---|---|
| SC400 | 1.5〜6tクラスのスキッドステア・バックホー | 住宅地・街路樹・狭小地・外構工事向け |
| SC600 | 5〜13tクラスの油圧ショベル | 造成工事・中規模伐根・農地・太陽光発電所造成など |
| SC850 PRO | 14〜30tクラスの油圧ショベル | 大規模伐採地・林業・インフラ工事・送電線下伐根など |
どんな現場なら「掘り起こし」よりDipperfoxが向いているか
豊島重機のこれまでの事例から、次のような現場ではDipperfoxスタンプクラッシャーが特に有効です。
- 公園・キャンプ場・ゴルフ場など、仕上がりの平滑性と景観が重要な場所
- 造成地・分譲地で、後の整地・外構工事をスムーズに進めたい現場
- 住宅地や街路樹など、周囲のインフラや舗装を傷つけたくない現場
- 重機・オペレーターを増やさず、限られた人員で作業量を増やしたいケース
- 抜根後の処分・運搬・埋め戻しにかかるコストを削減したい案件
切り株処理の効率化・コスト削減なら豊島重機へ
切り株を「掘り起こすか」「粉砕するか」は、現場条件や目的によって最適解が変わります。
豊島重機では、Dipperfoxスタンプクラッシャーの導入・レンタル・デモを通じて、現場に合った伐根工法をご提案しています。
- 抜根工事の手間とコストを減らしたい
- 芝刈りしやすいフラットな地形に整えたい
- 少人数でも効率よく切り株を処理したい
このようなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
現場の条件(切り株の本数・直径・地盤・使用重機)を伺ったうえで、最適なモデルと工法をご案内いたします。
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